活動報告

2019/08/21

小規模校における学習環境整備について

8月21日に教育福祉委員会が開会され、教育委員会に対して、下記の質問を行いました。
(鞍馬小学校、静原小学校、花背小学校、大原小学校、八瀬小学校に関する質問です。)

答弁につきましては、動画をご覧になって下さい。

https://youtu.be/ZfwFMaz4DyA

【小規模校における学習環境整備について】

①鞍馬小学校におけるプール使用について

 鞍馬小学校におきましては、昨年度の台風被害により自校プールが使用できず、隣の市原野小学校のプールをお借りして、今年度のプール学習が実施されました。
これまで、市原野小学校とは交流学習等を何度か実施してきた経緯もあり、プール学習自体は円滑に終了したとの事でした。市原野小学校までは、叡山電車で移動が行われ、交通費約1万7千円程度は公費で負担がされたとおうかがいをしています。費用に関しては、各家庭からの負担はなかったそうでありますが、移動時間に伴う多少のカリキュラム変更等、学習面では、時間割の変更等を余儀なくされた状況であります。移動時間等に費やした時間を、2学期の学習でしっかりと取り戻せるよう、教員の皆様が一丸となって取り組んで頂きますよう要望をさせて頂きます。
 この一連のプール学習に関しての保護者懇談会が、7月18日に実施されました。保護者の皆様からの意見としては、「市原野小学校とのプール学習自体に不満があるわけではない」との事ですが,「やはり自校のプールを使ってプール学習を行って欲しい」との意見をお持ちの保護者の方もおられるとのことでした。プール使用再開については、保護者の方から落石に関する心配の声が上がる一方、これまでも危険性のある落石の具体的な事案があったものでないため、落石対策までは不要だという意見もあり、PTAとしてどこまでの対策を希望するのか、その費用対効果も含めて、調整に今しばらく時間がかかるとのご見解でした。来年度の鞍馬小学校の自校プール使用の見通しについて、教育委員会の現在のご見解はいかがでしょうか?

 どの小学校におきましても、自校でのプール学習が理想ではありますが、子供達の学習環境に危険があってはなりません。そして、先ほどもおっしゃられたように、小規模校への費用投資という面でも、様々な角度からの検討・検証が必要かと思います。何よりも、子ども達の学習環境の安全第一で、今後も、前向きなご検討を頂きますよう要望をさせて頂きます。

②鞍馬小学校をはじめとする小規模校の課題等について

 鞍馬小学校におきましては、全校児童が22名しかおらず、1年生~6年生までの、全ての学年の児童が揃ったのは、今年度が13年振りです。学内の雰囲気は非常に家庭的で、地域の温かい絆を感じるとても魅力的な小学校です。22名の児童に対し、養護教諭や事務職員なども含めて12名の教職員が配置され、教育環境としては、大変恵まれた環境です。
一方、児童数が少ない為、児童同士のトラブルがあった際、そして教員との相性が悪かった際の、逃げ場がないのも現状です。最近問題となっているPTA活動に関しても、保護者の逃げ場がないというのも現状です。
 小規模校の利点は、行き届いた指導でありますが、一方、児童相互の刺激や切磋琢磨が少ない為、児童をたくましく育てる事が難しいという側面を抱えています。
 左京区は山間地が多く、静原小学校、鞍馬小学校、花背小学校、大原小学校、八瀬小学校と、児童数が100人以下の小規模校が沢山ありあります。小学校を卒業した児童は、中学校に進学をしますが、初めて経験する大きなクラスに戸惑う児童も少なくないそうです。同じ学年に数人のみ、もしくは同じ学年に自分だけしかいない環境の中で6年間生活をしてきた児童は、大きなクラスの中での人間関係の構築の難しさ、教職員との距離感の取り方の違い、大人数の中での成績評価、大人数の中での運動能力評価等、初めての事ばかりを沢山経験します。中学1年という多感な時期の児童にとっては、精神的負担は大きなものだと想定できます。
 教育委員会におかれましても、強くたくましい子どもを育てる為、小規模校の問題点を補う様々な工夫を行われているかと思いますが、現状の取り組み等についてお聞かせ下さい。

 社会人として一番大切な、多くの人と協調し、自ら向上する力を子供たちは学校で培います。その中でも一番身近なクラスの中で、それぞれの成長過程に応じて、段階をふみながら、多くの友達との交友を通じて、その力を体得します。小規模校においては、クラスの持つ教育力を補完する、更なる取り組みが求められています。鞍馬地域の皆様は「1人の子どもを育てる為に、100人の大人が骨を折る」という熱い信条を持ち、地域の子ども達と向き合って下さっています。強くたくましい子どもを育てる為、校内の縦割り活動や、近隣校との合同学習等、今後も活発な活動を継続して行って頂きますよう要望させて頂きます。

京都市会議員 豊田 恵美