2020/10/31
明日は住民投票日
いよいよ明日は、大阪都構想の住民投票日。
「真の自治権」とは何か?
日本から大阪市をなくしてしまって、本当にいいのか?
政令指定都市である京都市会議員として、大阪都構想に「反対」です。政令指定都市とは、「政令」という内閣が出す命令により、都道府県なみの権限と財源が与えられた都市のことを指します。都道府県と政令指定都市だけは、財務省に直接予算要望できるという「大きな権利」を持っています。当たり前ですが、財源と権限があるからこそ、市民の皆様に安定した住民サービスが提供できるのです。
明治22年に「市政」が施行され、全国に39の市が誕生しました。しかし、政治的に重要な京都、大阪、東京の三都市は「市政特例」により自治権が制限され、京都では府知事管轄の市政運営を余儀なくされました。そこで先人たちは、自らの手で地域を守り支えるという高い志の下、真の自治権を求める運動を粘り強く展開され、明治31年10月1日に「市政特例」が撤廃され、自らの手で市長を選任し、市役所開庁を実現し、「真の自治権」を獲得しました。
京都や大阪に限らず、戦前から大都市は、府県からの分離・独立を基本として、「真の自治権」を得る為の自立を目指してきました。そして、どの自治体も、自立を目的に自分たちの財源と権限を求めてきました。大阪都構想(=大阪市が「真の自治権」を放棄する事)は、大阪の先人達の長い歴史を否定する事でもあります。この「真の自治権」を得る為に、先人たちがどれほどの努力を積み重ねられてきたのかを、政令指定都市に住む住民の皆様には決して忘れて頂きたくありません。
解体されてしまった大阪市は、「もう二度と」政令指定都市に戻る事はできません…
大阪都構想の関連経費はこれまでに大阪府と大阪市で合計49億8053万円にものぼり、今回の住民投票の執行経費として8億1300万円が予算化されており、合計約58億円という多額の経費がかけられています。
他の政令指定都市では都構想のような議論は進んでおらず、今は新型コロナウィルス対策など「市民の為の政策」を前に進めるべきであります。
日本から、大阪市をなくしてしまって本当にいいのか?
解体されてしまった大阪市は、「もう二度と」政令指定都市に戻る事はできません。「真の自治権」「政令指定都市」が、地方自治・地方分権上いかに重要であるかを、大阪市の皆様にはしっかりとご理解頂きたいと思います。財源と権限なくして、市民サービスの向上の実現はありません。
大阪市がなくなるのを阻止できるのは、大阪市民の皆様の「良識」です。明日の住民投票、大阪市民の皆様には正しいご判断を心からお願い申し上げます。
京都市会議員 豊田 恵美